2005/10/30

(映)「四月物語」


淡々と描かれる、短い春の1ページ。

 趣味が仕事になってしまった監督とその仲間たちが仕事を忘れ、趣味として作った短い映像作品。

 毎週OFFになると松たか子は撮影現場に足を運んだそうです。…カメラ、照明、録音、「アメフラシ」「サクラフラシ」…その道のプロ達が魅せる画作りは見ていて心地いい。

 予告編で見られる
      *公開劇場募集中!
という字幕が、趣味で作ってしまった短い映画の当時の居場所を垣間見せてくれてるようでなんだか笑ってしまいます。

2005/10/21

【宮城谷昌光】介子推


中国で後世にその忠節と志の高さから人々に神として崇められるようになった人物がいる。

 中華の覇者となる重耳の冬の時代を陰で支え抜き春の訪れを確信すると介推は隠遁する。

 「・・・二度と紅塵の土は踏みません・・・」

 覇王になった重耳は自分を陰で支えてきてくれた介推の存在を知り多数の人をつかって介推を探させた。しかし介推は決してその姿を見せることはなかった。人々はそこにいいようのない哀しみをみた。
 名君と呼ばれることになる重耳(文王)を何故に批判し介推は去ったのか・・・

 著者、宮城谷昌光が稿を起こすのにためらい、執筆の過程で「つらい」とつぶやいて何度か泣いた問題作。

 宮城谷氏の読み取った介推の生き方に私達もいいようのない哀しみを感じることになる。

2005/10/09

【柴田哲孝】下山事件―最後の証言



 2002年 諸永 裕司
 2004年 森 達也
 そして
 2005年 柴田 哲孝
 
 21世紀、下山事件三部作
 三人の著書は同じ延長線上にある。
 
 ■「彼の」祖父の17回忌が済んだ夜・・・酔いが回ったのか、祖父の妹に当たる大叔母がふいに「彼」に向かって口を開いた。
 
 「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない」(本書より)

 週刊朝日の連載に始まり、諸永、森両氏が『彼』として匿名で証言者として登場させていた当人がついに沈黙を破った。
 
 私は下山事件をもっと知りたい。
 誰が本当のことを言っているのだろうか?たぶんどれもが脚色されているのだろう。
 真実はもうどうでもいいのかもしれない。そこに見え隠れする社会の世界の歪みをもっと知りたい。

2005/09/24

パンスペルミア説

地球に暮らす生物の種がほかの星にあるという説。
「隕石が“原始スープ”に飛びこんで、最初の生物の種を地球にもたらした」

ハリウッドは地球外生命体を緑色の人間として描くことが多いけれど、宇宙物理学者やマニアのあいだでは、地球に生息する昆虫の数の多さと適応性の高さから考えて、地球外生命体が見つかるとしたら虫の類だろうというのが定説となっている。
昆虫は節足動物―硬い外殻と、節足を備えた脚を持つ生物―の一種である。地球に存在する“虫”の種類は既知のものだけで百二十五万種を超え、未分類のものも五十万種いると推定されており、その数は他のすべての動物の合計数よりも多い。虫だけで地球上の生物種の九十五%を占め、驚くことに生物量でも地球全体の四十%を占めている。
だが真に驚くべきは、虫の数の多さよりもその適応力だろう。南極に住むカブトムシから酷暑のデス・ヴィレーに住むサソリに至るまで、どれほど過酷な気温や湿度や気圧の条件にあっても虫はうまく適応する。そして宇宙で最も致死率が高いとされる放射能に対してすら、耐性を身につけてしまった。1945年におこなわれたある核実験のあと、放射能防護服を着用して爆心地の調査にあたった空軍将校が見つけたのは、何事もなかったかのように動きまわるゴキブリとアリばかりであった。天文学者の考察によれば、放射濃度
が高すぎてほかの生物が生きられない数々の惑星でも、体表を保護する外骨格を持つ節足動物ならば生存が可能であるらしい。

すべての隕石には『ニッケルと鉄の合金』『ケイ酸塩』『硫化物』がさまざまな割合で含まれている。
隕石は金属とケイ酸塩の比率をもとに分類される。

鉄隕石…外殻が黒く焦げた重い灰色
    炭化した外側の層は溶融殻と呼ばれる。…流星体が大気中を落下する際の極度の高熱に起因する。
石鉄隕石…カンラン石の含有量が高いために緑色に輝く
石質隕石…地球に落下する隕石の90%
     花崗岩に似たくすんだ褐色。


溶融殻、球粒、中程度のニッケル含有率。

この三つが宇宙からきた証拠になる。

2005/09/11

【Dresden】

日曜日 
 清き一票を母校の体育館で。 
 小さい町の小さな学校。 
 AM10:00頃  
 「こちらは防災無線・・・」 
 町内放送は私の区域の投票率が既に33%を超えたことを伝えていた。そういえば兄も投票の為に帰って来ていた。 

 電車に揺られ都内へ 
 国立西洋美術館に【Dresden】を観に行った。 
 『ドレスデン国立美術館展[世界の鏡]』 
 ドレスデンというドイツ東部の古都の国立美術館の作品が見れるという催し物で、当時(15世紀)の帝が世界中から集めて後世に残っている美術品の数々、約200点以上を拝む事が出来る。 
 好き、嫌い、上手い、下手、感じることは個々様々だけれど、こういう幾時代を経ても美しいと思われるカタチっていうのは確かにあるんだなぁ・・・と感心してしまいました。 

 それにしても、どうして、こう、なんというか、美術館の観賞の仕組みが、いまいち、しっくりこない。このモヤモヤは何が原因なのだろうか?

2005/08/28

館林にて

 東武伊勢崎線に揺られて群馬県館林市へ。
 県を幾つもまたいで一本の映画を見に行くのは初めてのことだった。
 映画の内容も、評判も特に知らなかったしCMさえも見ていないのに不思議とフットワークは軽かった。主目的が映画ではあったけれど久し振りの遠出の心地よさもあったからだと思う。

 先々週だっただろうか。偶然、他の映画の上映館をネットで調べていたらヒットした。あらすじも予告もレビューも読まずに公開情報を調べたら何処にも該当しなかった。

 あれ?

 変だなぁ?

 と思って、もう少し調べたら、区や市町村で細々と転々と上映をしていた。
 都内や県内では結構終わっていたり平日の上映だったりで都合が合わない。視野を広げると群馬県で日曜公開があった。
 「リリィ…」や「花とアリス」での蒼井優を観ていた事や出演者の面々にアイドルや芸人がいない安心感があったのだと思う。 結果的に予備知識が無くてより楽しめたのだけれど…

 初めての館林。駅前は閑散としていて日曜なのに休みの飲食店も結構あった。駅前にコンビニが一つと大戸屋があるぐらいでファーストフードの類やチェーン店の類も何も無かった。ロータリーを抜けて少し通りを歩くとお客さんが何人か出入りしている『おだんご屋』という名の団子屋さんがあった。おはぎも美味しそうだったけれどばら売りはしてないとのことで、胡麻団子と磯部団子を一本づつ買った。

 朝食も抜いていたし、お腹も減っていたから少々時間的には早いが食事でも…と思って通りを歩くのだけれど飲食店は少なく定休日の所や準備中の所が多かった。
 せっかくだから名物のうどんでも食べようと、通りにあった観光協会に入って地図をもらってお店の場所を聞いた。

 *皇室・宮家もお買い上げの銘麺。
 というお店へ。残念ながら開店が11:00からだったので、どこかで時間を潰す事に。
 大きな通りまで歩くと黄色い看板の古本屋が見えた。
 館林まで来て…と思ったが30分ほど時間を潰しに入店。

 なんと新書、小説のサービス販売日。三冊1000円は嬉しい値段だ。さっそく物色。
 【回転木馬のデット・ヒート】
 【楽毅 第四巻】
 【三国志 第一巻】
を購入。荷物は一気に重量を増したが、30分はあっという間に過ぎていった。

 館林うどん『うどん本丸』へ戻って暖簾をくぐる。
 なまずの天麩羅も食べて大満足で店をあとに。

 上映開始までまだ2時間近くあるので、上映会場付近にあった館林図書館に足を運ぶ。

 思わぬ出会いというか、初めて上毛新聞に対面。
 おおおおぉぉぉ!!これはちょっとした感動だった。

 PM2:05
 図書館を後に『三の丸芸術ホール』へ。
 特に大きな看板も無く館内に『ニライカナイからの手紙』のポスターが張ってあるだけであった。

 折りたたみ机の上にパンフレットとポストカードを並べた簡素な受付にネクタイ姿の青年が1人立っていた。
 当日券、大人は1700円。
 んー高いなぁ。
 予約できてるかなぁ…と不安になりながら、

 「すみません、電話でチケット予約した…」
 「あ、そうですか、では大人一枚1300円になります。」

 特に調べるでもなく、あっさりと。
 パンフレットを買って場内へ。

 結構立派なシートは心地よく、眺めも申し分ない。
 観客はまばらだったし、年齢層も年配の方達の方が多かった。結構、集らないものなんだなぁ…と思いながら、荷物を置いて館内をトイレに行くついでに散策。席へもどって間もなく。

「ブーーーッ」
 というブザーが響いて館内が暗くなるとCMもなく本編が始まった。

2005/08/17

【Team America: World Police】



Greetings
Although it is autumn on the calendar, it is Sunday afternoon after 30 degrees.It was only when I was taken by a friend that I knew about you.
It's been a long time since I've been to Ikebukuro since I watched a Japanese film called "Geropa" at the place where you are being screened.

I hate America so much? Do their actions show up in your eyes?
Do you hate Matt Damon that much?
Is 'Pearl Harbor' so dung?

I had a tired body with a dry spice and a laugh that I couldn't finish.
It was such a Sunday afternoon that "The emotions were heavy on me."

Is the world a little more peaceful if we take each other's perspective? We all know such things, but we all know the good and bad things, but we've stopped criticizing, we've stopped for a while, and it's hard to find the future ... I think so too did.
it was fun.

Postscript
Still, 1800 yen is expensive

2005/07/25

【横山秀夫】震度0


 数多いる人達は、それぞれが、それぞれの過去を背負って、悲しみを深くにしまい込んで生きている。誰が正しく、誰が悪いというのでもない。
 小さなプライドが全てだと思う時もあるし、欲望が大事なものを上回る時だって確かにある。
 冷静になってはじめて見えてくるモノ、見えてなかったモノに気付く時がある。

 警察社会を通して描く泥臭い生き方をする人間達のドラマが重なり合って読む者の胸を熱くする。

2005/07/24

流れた飲み会

昨日の事を少し。 
久しぶりに幹事をやった。 
 旦那の仕事の関係でアメリカに旅立つ友人がいたし、もうすぐJrに恵まれる夫妻もいたし、ようやく専業主婦になって時間が作れるようになった友人がいたし、春から新しい職場に入り馴れてきた友人も幾人かいた。そんな友人たちとの飲み会には珍しく一ヶ月ぐらい前から予定調整をしたりもした。 

 集合場所が祭りだからと前々日に場所も変えて、一緒に幹事をやった友人がお店を予約してくれたりもした。 

 午前中の私用を終えて、寄り道して適当に時間を潰した。 
 喫茶店に入って本を読んだ。 
 最近発売した横山秀夫の本だった。 
 登場人物のそれぞれの生き方が話しを熱くしていた。 

 喫茶店が揺れた。地震だった。いつもの事だと、本を読み続けた。熱い、熱いクライマックスが用意されていた。 

 喫茶店を出て読後感に浸りながら、次読む本を本屋で物色した。 

 平積みにされている本を見て、生まれて初めて鳥肌がたった。下山事件の本だった。 
  
 飲み会に向かおうと駅へ向かった。 
 電車が全部止まっていた。 
 大きな地震だったと、その時、初めて知った。 

 何時間待っても電車は動かなかった。 
 皆に連絡をとった。 
 皆も駅で、道路で止っていた。 
 飲み会は流れた。 

 ふだんやらない事をやると、こんなもんだ。 

 そう思った。 

 喫茶店で読み終わった本のタイトルは 
 「震度ゼロ」だった。 
 阪神大震災を背景に描いた作品だった。 

 深夜二時、安全運転の電車が地元のプラットホーム運んでくれた。 
 車のラジオで地震のことを聞いた。 
 場所を移したお店がある町が震源地だった。 
 春まで住んでいた場所が一番被害が大きかったとラジオは言っていた。 
  
 何かが繋がっている、そんな気がした。

2005/07/18

【宮城谷昌光】「三国志」(第二巻)

私達の歴史認識の基本になっているのは勝者が語ってきた歴史である。
時代を担うことになる勝者、王朝が善であり対するものが賊であり悪である。
時代を俯瞰し一般大衆の視点から歴史を覗き直してみると浮かび上がる疑問がある。正しきはどちらか、本当の正義は何処にあるのか?

 王朝が腐り始め、地方が荒廃したとき、人の心は新しい価値観を求める。
 後の英傑達は静かに産声をあげる。

 時代が徐々に徐々に、不器用に頼りなく回り始める。

【宮城谷昌光】「三国志」(第一巻)

所謂、後漢と呼ばれる時代。中華は揺れていた。
後に始まる、三国時代がいかにして…起こるべくして起こったのか…
国家あるいは王朝を愁う賢人たちの歯痒くも儚く美しい生き方が私達に訴えかけるものは大きい。

乱世の英雄、豪傑は未だ現れず、時代は次第に暗さを増していく。
 
私達はこの時代の持つ暗さを知って初めて三国時代の英傑達の放つ明るさを実感する事が出来る気がする。

2005/07/05

【村上龍】半島を出よ (上)


圧倒的な構成力。
作家としての力の差が素人目にも見えてくる気がした。

現在の僕達の姿が重なって見えてくる気がする。
本当はそうじゃない。僕らはもっと強いし、失っちゃいけないモノが何かを知っている。

そう言えるだろうか?
現実として起こりうる可能性が0%とは言えない漠然とした不安を見事に問う作品では無いだろうか。

経験が無い、幸福と不幸を噛締め自問しよう。
どれが正しく、何が悪いのか。

2005/06/16

【諸永裕司】葬られた夏―追跡・下山事件



 2002 朝日新聞社 諸永 裕司

 先に森達也著の『下山事件』を読むべきである。
 自分は幸運にも森氏の本の中でこの本の存在を知る。

 私は一般人であるし諸永氏も森氏も深くは知らない。
 ただ『下山事件』を読んだ後にこの本を読むと説得力に欠ける…
 それは事件のコトではなくて諸永氏の人間性に関して…

 位置づけ的にも出版年月は前後するが『下山事件』の続編として読んだ方が楽しめる。
 何故なら本書では実名が避けられているからだ。

 下山事件のキーパーソンとなる人物が仮名では真実味が損なわれてしまうからだ。

 【「―佐藤元首相『平和賞』に疑問」 だが問われるべきはそれだけであろうか?】(本文より)

 事件の真相は誰も語らないままなのだろうか?

2005/06/15

【森達也】下山事件


 2004 新潮社

自分の住む日本という国がどういう仕組みを持っているのか、
或は モ・ッ・テ 来てしまっているのか。

下山事件を見つめていくことは、そういうことへの【コタエ】に繋がる気がします。

「冷血な男たちは闇に跋扈し、
様々な謀略が積み重ねられ、
警察や検察は組織的な隠蔽や工作に耽り、
冤罪はくりかえされ、不都合な命はあっさりと消される。
何の価値もないかのように。何のためらいもないかのように―」
(本文より)

昭和の初め頃、日本はそんな社会だった。
私達の祖父母が過ごしてきた時代はそんな社会だった。
遠い昔ではなくて。

事件の真相を知る事、真相に迫る事も興味深い話ではある。
それよりも、私たちはこの国の終わりの無いサークルゲームの現実に愕然とする。

2005/06/13

【宮城谷昌光】春秋の名君

★★★★★

何を伝えればいいのだろうか。
この本にはあまにり多くの言葉が溢れすぎていた。

短い文書で、幾つものエピソードで氏のこれまでが綴られる。
どこかに孤独と寂しさと悲しさを背負ってきたからこそ、人と人との繋がりの尊さや他者が垣間見せる思いやり優しさを見てきた下地があって氏の小説達があるというのは嬉しい発見であった。

 でも、そう感じる事が出来たのはこれまでに何冊か氏の小説を読んできたことが関係していると思うし、本と出合った時季も関係しているんだとも感じた。

2005/06/11

(映)「四日間の奇跡」



劇場で邦画を鑑賞。

とりあえずこの日。
映画を観たってことだけは記しておこうと思う。
あとで、ボロボロの映画館の事や傘を持って行ったのに一滴も雨にあたらなかったこと、思い出せるかと。

2005/04/10

最後の桜

本日は、旧い仲間と呑むことになったが一緒にどうだろうか?(笑

今年も、桜がいいかんじでした。見ごろも今日まででしょうか?

旧い仲間の別の一派から結婚するっていう報告と一緒に、『お披露目パーティー』の招待メールを頂いたんだが出席予定かい?

あと、私事ですが東京のアパートを今週いっぱいで引き払って一時的に実家に戻る事になりま
した。又、都内に出てくるとおもうけれどちょっと未定です。

通勤は遠くなるが、まぁ頑張ります。

ではでは。あ、飲み会は PM19:00集合でお願いします(笑

PS:それとよかったら e-mail 教えて下さい。

2005/04/04

新聞記事

▼・・・政府は熊沢英明・元農水事務次官をチェコ大使に起用する。BSEの日本上陸で、調査検討委員会が指摘した「重大な失政」に深くかかわる人物。(中略)▼2001年にEUが日本はBSE発生危険度が高いと指摘、時の熊沢農水事務次官はそれを握りつぶし、日本は安全と公言した。直後に最初のBSE感染牛がみつかるも、熊沢氏は何も説明せず、9000万円近い退職金を満額受け取り退職。食肉関連団体へ天下ろうとして果たせなかったが、今度は大使で再出発・・・。▼米国産牛肉の輸入再開をめぐって、米国の圧力が増すさなか、BSEのリスク評価が焦点になっている今、なぜ失政の当事者を大使に起用するのか。・・・
(3/21 日本経済新聞 春秋より)

自分の国が好きになれない人が多いそうだ。

外に出ると日本の素晴らしさを再認識する人も多いそうだ。
それを活かして…新しいものを生み出していくアーティスト達が多いそうだ。

最近、『下山事件』という一冊の本を読み始めた。高校生の時に知ったその事件は私の頭の中に強烈な印象を残していた。
本の影響というわけでは無いけれどTVのニュースにならない小さな記事に目が止まる。
ニッポンという国はこれからイイ方向に向かっていくのだろうか。と まるで他人事のように考えた。

2005/03/25

【宮城谷昌光】香乱記〈下巻〉

秦朝末期から劉邦(漢)の時代へ。

皇帝という、唯一人の天下となることを危惧しつづけてきた従兄。
そして斃れていく従兄達。理念の清潔さを一人残った田横が受け継いだ。
 四面楚歌をきくことになった項羽は地上から姿を消した。
陳勝・呉広の挙兵に始まった全土を覆う動乱はおさまりつつあった。
 情勢の変化、時代の目に見える変化の中にあっても服属しない田横がついに劉邦との対面を果たす・・・

 田横(田氏)の切ないほどの真っ直ぐさが胸を打つ。
 時代の節目を見ることでバラバラだったモノが繋がりをもってみえてくる。

2005/03/23

(映)「運命をわけたザイル」




 水曜日
会社を休んだ私は映画館に足を運んだ。
洋画を映画館で見るのは実に久し振りの事だった。
http://unmei-zairu.com/

『水曜レディースデー』というのが定着してどれぐらいだろうか、『メンズデー』はできるのだろうか、でも出来たとしても少し怖い気も・・・そんなことを考えながら金券ショップを覗くと前売りチケットが売っていた。買おうと注文をしたら髭メガネの店員が
「いつ見るの?ここなら、今日は1000円で見れるけど・・・」
と教えてくれた。

映画は1985年にアンデス山脈で起こった実話を元に書かれた小説が原作となっているドキュメンタリー映画であった。

淡々と当時の事件(伝説)が当事者であるジョー・シンプソンとサイモン・イェーツによって語られる。
時は1985年、場所はペルーのアンデス山脈標高6600mの難所シウラ・グランデ峰、垂直に立ちはだかる前人未到の西壁・・・

映画のことは劇場で配られるチラシを見て知っていた。足を運ぶ気になったのは友人の話を聞いたからだろう。
療養をする為に仕事を辞めて帰省した友人は、今ぽっかり空いた時間を利用して全国の友人達に会いに行っている。色々な偶然が重なって結構多くの友人達に会えているそうだ。

そういう時間を持つことが自分にも来るのだろうか。

2005/03/18

【宮城谷昌光】香乱記〈中巻〉

『歴史が変わるときは信じがたい奇跡のようなことが起こる』
 陳勝と呉広の挙兵に始まった秦朝に対する反乱が秦朝の滅亡という形で幕を降ろすかに見えた時、章邯が歴史の表舞台に颯爽と現れる。
 
 章邯は一朝にして70余万という兵を生み出し反乱軍を沈静化していく。そこに頭角を現してくる若き項羽と劉邦。彼らの行く末を見つめる田横。

 真っ直ぐに生きるが故に歴史の表舞台に出遅れることになる英傑田横。彼の真っ直ぐさが時に切なく、時に歯痒い。

 秦朝滅亡時の混迷期を生き急ぐ男達の運命が静かに描かれる。

 項羽と劉邦、若き彼らの姿を見ることで中国史の見方が少し変わってくる。

2005/03/03

【宮城谷昌光】香乱記〈上巻〉

秦に滅ぼされた斉王「ビン王」の末裔である田氏。
田氏三兄弟と言われる内の一人、田横を中心に語られる。
始皇帝の晩年から二世皇帝時の「楚漢戦争」の起こりから終盤までが上巻で描かれている。

 あまりにも有名な始皇帝・・・その社会の裏側で生きた人物に視点をおくことで見えてくる秦という時代。
著者の描く魅力的な人間達がたどる数奇な運命が秦時代から漢(前漢)までの隙間を見せてくれます。

2005/02/11

SWITCH Vol.23 No.2(FEBRUARY200 (23)



「SWITCH」やっと購入する事が出来ました。
増刷されたそうで、第二版です。

 1ページ、1ページ丁寧に丁寧に

 隙間の日常はダイジェストとはいえ変わらぬ彼らの姿がありうっすら感動を覚えました。

 他にも彼らを垣間見る事が出来ないものかと掲載されている写真を1つ1つ目で追いました。
 書き途中の湘北ベンチ組みや仙道、監督達をチラッと見つけました。彼らは彼らの、それぞれの日常が淡々と続いているのだと当たり前のように思いました。

 あれから10日後・・・

だからかもしれないがまだ、
  • 当たり前のようにバスケ一筋に暮らす現役組・・・
  • 進路を真剣に-の引退組み・・・
  • 何かを見つけようとする軍団達・・・
それぞれが、それぞれのペースで淡々と・・・

 あれから8年・・・

彼らの姿を見て自分のこの8年間を少し振り返った。

2005/02/09

【森 純】「八月の獲物」

普段、何気なく過ごす一ヶ月・・・けれどこの一ヶ月の過ごし方、過ぎていく時間の濃さは各々がおかれている状況で一変する。
例えば受験生の残り一ヶ月、テスト前の10分間の休み時間、バスケットのノータイム15秒、締め切りや納期前の1日。
 
『あなたに10億円さしあげます』
課せられた条件はただひとつ―1ヵ月間生存すること。
天文学的なお金を貰えることになった対象者達と補欠対象者の過ごす濃密な一ヶ月。
 
お金が絡んでくる事で変化する身近な環境と取り巻く社会・・・
着眼点といいますか設定がしっかりしているので全体を通して楽しむ事が出来ます。

惜しむのは著者の早すぎる死だろうか。
本作を含めわずか3冊しか彼の作品を読むことは出来ない。

2005/01/27

【村上春樹】アンダーグラウンド

 


 東京メトロがまだ地下鉄だった頃、後に『地下鉄サリン事件』と呼ばれる大惨事が起きる。
 この本は実際に事件に遭遇した人、関わった方々の限りなく生に近い声を丁寧に丁寧に記した記録である。
 
 事件当時、私はまだ学生でした。
 少し大人になって東京に出て、地下鉄を利用するようになった私には本書で語られる言葉達が見せる情景があまりにもリアルで重すぎました。
 あれから10年の歳月が経とうとしています。
 社会は少しでもいい方向に向かっているのだろうか。
 『地下鉄サリン事件』とは何だったのか、そこから見えてくる何か、目に見えない、言葉に出来ない何か・・・を感じ取ることが出来そうな一冊です。

2005/01/23

(本) 【慟哭】

作品の紹介文が素敵だ。
【…北村薫氏をして書き振りは≪練達≫,読み終えてみれば≪仰天≫,と驚嘆させた・・・】
このキャッチコピーはリズムも良く、ユーザー心理を上手にくすぐる。

 私は物語の中で語られる新興宗教について語られる下りが実に興味深く面白かった。
 
 初版が1999年となっている。もっと早くに出会いたかった一冊。
====================
著 者 貫井 徳郎
書 名 慟哭(1999/03)
出版社 東京創元社
====================

2005/01/15

(音楽)【沿志奏逢】


 購入から数ヶ月が経っても飽きることなく流している。聴くというより、自然に流している方がニュアンスとしては近いかもしれない。
 原曲達の歌詞の奥深さが時に心地よく、時に重く聞こえたりするから不思議である。
 
実はこのアルバム、2種類存在している。
12曲目がシークレット扱いなのだが、これがアルバムによって曲目が異なっている。

 『イメージの詩/僕と彼女の週末に』

*ちなみに私は吉田拓郎さんの方でした。

 どっちが入っているかは聴くまでわからないし、特に2曲(2枚)存在している事を発表もしてないから面白い。

 店や音楽番組では週変わりで流行の音楽達が流れてくる。
チャートや売り上げも、レンタルショップがまとめ買いする時代にどこまで意味があるものなのか・・・と疑問に思うこともある。

 売り上げや、記録に残らなくとも、歌い手が変わっても自然と残っていく音楽というものが確かにあるってことをしみじみと感じる事が出来る1枚ではないでしょうか。

2005/01/04

【宮本輝】月光の東

何が心を動かしたのかハッキリとは、わからないが、寝る間も惜しんで一気に読むことが出来た。
 届くようで届かない彼女(ヨネカ)の影を追う人達が日々の暮らしの中で新しい自分を見つけてく。第三者に語りかけていくような丁寧な言葉たちが時に心地よく、交わされる会話の中で「ふっ」っと頭に入っていく言葉たちが溢れていた。
 私も「複勝式のころがし」で自分の姑息さを試してみようと思った。
====================
著 者 宮本輝(2000/05)
書 名 月光の東
出版社 中央公論新社
====================

黄色いパッケージの牛乳

 「 黄色いパッケージの牛乳」を子供たちが好んで飲んでいました。しかし、2024年05月のある日、買えなくなりました。「黄色いパッケージの牛乳」を取り扱っていたお店の牛乳が別のメーカーに替わってしまっていました。従業員に尋ねると「取り扱う商品が替わったので、今までの牛乳は入荷され...