2005/07/25

【横山秀夫】震度0


 数多いる人達は、それぞれが、それぞれの過去を背負って、悲しみを深くにしまい込んで生きている。誰が正しく、誰が悪いというのでもない。
 小さなプライドが全てだと思う時もあるし、欲望が大事なものを上回る時だって確かにある。
 冷静になってはじめて見えてくるモノ、見えてなかったモノに気付く時がある。

 警察社会を通して描く泥臭い生き方をする人間達のドラマが重なり合って読む者の胸を熱くする。

2005/07/24

流れた飲み会

昨日の事を少し。 
久しぶりに幹事をやった。 
 旦那の仕事の関係でアメリカに旅立つ友人がいたし、もうすぐJrに恵まれる夫妻もいたし、ようやく専業主婦になって時間が作れるようになった友人がいたし、春から新しい職場に入り馴れてきた友人も幾人かいた。そんな友人たちとの飲み会には珍しく一ヶ月ぐらい前から予定調整をしたりもした。 

 集合場所が祭りだからと前々日に場所も変えて、一緒に幹事をやった友人がお店を予約してくれたりもした。 

 午前中の私用を終えて、寄り道して適当に時間を潰した。 
 喫茶店に入って本を読んだ。 
 最近発売した横山秀夫の本だった。 
 登場人物のそれぞれの生き方が話しを熱くしていた。 

 喫茶店が揺れた。地震だった。いつもの事だと、本を読み続けた。熱い、熱いクライマックスが用意されていた。 

 喫茶店を出て読後感に浸りながら、次読む本を本屋で物色した。 

 平積みにされている本を見て、生まれて初めて鳥肌がたった。下山事件の本だった。 
  
 飲み会に向かおうと駅へ向かった。 
 電車が全部止まっていた。 
 大きな地震だったと、その時、初めて知った。 

 何時間待っても電車は動かなかった。 
 皆に連絡をとった。 
 皆も駅で、道路で止っていた。 
 飲み会は流れた。 

 ふだんやらない事をやると、こんなもんだ。 

 そう思った。 

 喫茶店で読み終わった本のタイトルは 
 「震度ゼロ」だった。 
 阪神大震災を背景に描いた作品だった。 

 深夜二時、安全運転の電車が地元のプラットホーム運んでくれた。 
 車のラジオで地震のことを聞いた。 
 場所を移したお店がある町が震源地だった。 
 春まで住んでいた場所が一番被害が大きかったとラジオは言っていた。 
  
 何かが繋がっている、そんな気がした。

2005/07/18

【宮城谷昌光】「三国志」(第二巻)

私達の歴史認識の基本になっているのは勝者が語ってきた歴史である。
時代を担うことになる勝者、王朝が善であり対するものが賊であり悪である。
時代を俯瞰し一般大衆の視点から歴史を覗き直してみると浮かび上がる疑問がある。正しきはどちらか、本当の正義は何処にあるのか?

 王朝が腐り始め、地方が荒廃したとき、人の心は新しい価値観を求める。
 後の英傑達は静かに産声をあげる。

 時代が徐々に徐々に、不器用に頼りなく回り始める。

【宮城谷昌光】「三国志」(第一巻)

所謂、後漢と呼ばれる時代。中華は揺れていた。
後に始まる、三国時代がいかにして…起こるべくして起こったのか…
国家あるいは王朝を愁う賢人たちの歯痒くも儚く美しい生き方が私達に訴えかけるものは大きい。

乱世の英雄、豪傑は未だ現れず、時代は次第に暗さを増していく。
 
私達はこの時代の持つ暗さを知って初めて三国時代の英傑達の放つ明るさを実感する事が出来る気がする。

2005/07/05

【村上龍】半島を出よ (上)


圧倒的な構成力。
作家としての力の差が素人目にも見えてくる気がした。

現在の僕達の姿が重なって見えてくる気がする。
本当はそうじゃない。僕らはもっと強いし、失っちゃいけないモノが何かを知っている。

そう言えるだろうか?
現実として起こりうる可能性が0%とは言えない漠然とした不安を見事に問う作品では無いだろうか。

経験が無い、幸福と不幸を噛締め自問しよう。
どれが正しく、何が悪いのか。

黄色いパッケージの牛乳

 「 黄色いパッケージの牛乳」を子供たちが好んで飲んでいました。しかし、2024年05月のある日、買えなくなりました。「黄色いパッケージの牛乳」を取り扱っていたお店の牛乳が別のメーカーに替わってしまっていました。従業員に尋ねると「取り扱う商品が替わったので、今までの牛乳は入荷され...