【大江戸釣客伝】読了。
読み始めたきっかけはCDで言うところの所謂ジャケ買いに近い。
装丁画が松本大洋氏。
本屋に平積みされているのが目に止まり、イラストの作者名を探した。
カヴァー裏に「カバー装画 松本大洋」の表記があった。文庫になっているということはハードカヴァーが先に出版されているはず…。と思って書店奥の書棚に。上下巻それぞれ1冊づつ在庫がありました。装画はハードカヴァーの方が大きく文庫版ではトリミングされている場所もしっかり写っていた。「欲しいなぁ」と思っても、そこは売れ残り。新品ととして定価を出すには本のイタミ具合も気になって断念。あとは内容が面白いかどうかも未知数だったので。
とりあえず会社に戻り休憩時間を利用して図書館で予約。
津軽采女 宝井基角、多賀朝湖 個人的に馴染みの無い登場人物達、そして興味を持っていない釣り話し。最初の方は生欠伸も出るぐらいに退屈だった。まず魚の漢字もなかなか頭に入ってこないし、延々と釣り描写が続くように思えてしまって。くり返し使われる采女(うねめ)、鱛残魚(キス)、沙魚(ハゼ)、魚信(あたり)などの漢字の読み方にも慣れてきて、津軽采女が時の将軍徳川綱吉の小姓として召抱えられるようにってからは話がどんどん面白く感じるようになっていった。下巻はもう徹夜本に入ってもおかしくないぐらいで、空き時間を見つけては本を読んだ。
退屈さを我慢して読み進められたのには理由がある。夢枕獏氏の『神々の山嶺』を読んでいて面白さへの信頼がいくばくかあったからだと思う。
夢枕獏氏のBlogに装画に対する松本大洋氏のコメントが記されている。
”松本大洋氏によると、上巻は菩薩を意識し、下巻では仁王を意識して絵を描かれたそうです。”
いい装丁だ。
これは是非1冊手元に残しておきたい。
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著者:夢枕獏
書名:『大江戸釣客伝(おおえどちょうかくでん)』上巻・下巻
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2013/08/24
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